今回は「仮想通貨取引所」について詳しく紹介していきます。

仮想通貨を実際に購入・売却するためには、取引所の理解が欠かせません。この記事を読むことで、初心者の方でも安心して取引所を選び、基本的な使い方をマスターできるようになります。
※記事の情報は2025/5/12時点のものです。
仮想通貨取引所の基本と種類
取引所とは何か?その役割と重要性
仮想通貨取引所とは、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を売買するためのプラットフォームです。株式市場における証券取引所のような役割を果たしています。取引所は単に売買の場を提供するだけでなく、以下のような重要な機能も担っています。
- 価格形成の場:多くの買い手と売り手が集まることで、適正な市場価格が形成されます
- 通貨の交換:法定通貨(円やドル)と仮想通貨、または異なる仮想通貨同士の交換が可能です
- 資産の保管:購入した仮想通貨を一時的に保管するウォレット機能も提供しています
取引所は仮想通貨投資のスタート地点であり、初心者にとっては最初の関門とも言えます。安全で使いやすい取引所を選ぶことが、スムーズな仮想通貨取引の第一歩となります。
中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の違い
仮想通貨取引所は大きく分けて「中央集権型取引所(CEX: Centralized Exchange)」と「分散型取引所(DEX: Decentralized Exchange)」の2種類があります。
中央集権型取引所(CEX)の特徴
- 企業や組織が運営し、サーバーを集中管理しています
- ユーザー登録と本人確認(KYC)が必要です
- 取引速度が速く、初心者向けの使いやすいインターフェースを提供
- 法定通貨(円やドル)での入出金が可能
- セキュリティリスクを企業が負担する形になります
- 例:bitFlyer、Coincheck、Binance、Coinbase など
分散型取引所(DEX)の特徴
- ブロックチェーン上で動作し、中央管理者が存在しません
- 個人情報の登録や本人確認が基本的に不要です
- スマートコントラクトを使用した自動取引が行われます
- 自分のウォレットと直接接続して取引します
- セキュリティリスクをユーザー自身が負担します
- 例:Uniswap、SushiSwap、PancakeSwap など
初心者の方は、使いやすさと安全性から、まずは中央集権型取引所(CEX)から始めることをおすすめします。ある程度知識と経験を積んでから、分散型取引所(DEX)にチャレンジするとよいでしょう。
日本と海外の取引所の主な違い
仮想通貨取引所を選ぶ際、日本の取引所と海外の取引所には重要な違いがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った取引所を選びましょう。
日本の取引所
- 金融庁に登録された正規の事業者のみが運営できます
- 厳格な本人確認と反マネーロンダリング対策が実施されています
- 日本円での入出金が容易です
- 日本語のサポートが充実しています
- 取り扱い通貨の種類は比較的少なめです
- 税金の報告がしやすいよう配慮されています
海外の取引所
- 取り扱い通貨の種類が豊富です
- 取引手数料が比較的安いケースが多いです
- 先物取引やレバレッジ取引などの高度な取引も可能です
- 英語インターフェースが基本(日本語対応も増えています)
- 日本からの利用に制限がある場合があります
初心者の方は、まずは日本の取引所から始めることで、安心して取引を学ぶことができます。経験を積んだ後、より多くの通貨や取引オプションを求めて海外取引所も利用するというステップアップ方法がおすすめです。
安全な取引所の選び方と注意点
取引所選びで最も重要なのは「安全性」です。過去には大規模なハッキング事件も発生しているため、セキュリティ対策がしっかりしている取引所を選ぶことが重要です。
セキュリティ対策が充実している取引所の特徴
安全な取引所を見分けるポイントは以下の通りです。
- コールドウォレット保管:顧客の資産の大部分をオフラインのコールドウォレットで保管している
- 二段階認証(2FA):ログインやトランザクション時に追加の認証を必要とする
- 保険への加入:ハッキングなどによる資産損失に備えた保険に加入している
- 監査の実施:定期的な第三者監査を受けている
- 透明性の高い運営:運営会社の情報や保有資産の状況を公開している
特に日本の認可済み取引所は、厳格な審査を通過しているため、一定の安全性が確保されています。ただし、セキュリティに完璧はないため、大切な資産は取引所に長期保管せず、自分のウォレットに移すことも検討しましょう。ウォレットについては次回紹介いたします。
取引手数料と入出金手数料の比較ポイント
取引所を選ぶ際、手数料も重要な判断材料です。主な手数料の種類と比較ポイントを見ていきましょう。
取引手数料
- 現物取引:0.05%〜0.5%程度が一般的
- レバレッジ取引:0.02%〜0.2%程度(ただし別途スワップポイントがかかる場合も)
- 取引量に応じた割引制度がある取引所も多い
入出金手数料
- 日本円の入金:銀行振込手数料(数百円)または無料
- 日本円の出金:数百円程度が一般的
- 仮想通貨の送金:ブロックチェーンのネットワーク手数料+取引所手数料
手数料体系は複雑で取引所ごとに異なるため、自分の取引スタイルに合った取引所を選ぶことが重要です。例えば、少額で頻繁に取引する場合は取引手数料の安さを、大きな金額を動かす場合は入出金手数料の安さを重視するといった選び方があります。
使いやすさとサポート体制の確認方法
特に初心者の方は、使いやすさとサポート体制が充実した取引所を選ぶことが大切です。
使いやすさのチェックポイント
- シンプルで直感的なユーザーインターフェース
- モバイルアプリの提供と使い勝手
- チャート機能やツールの充実度
- 日本語対応の有無と翻訳の質
サポート体制のチェックポイント
- 日本語カスタマーサポートの有無
- サポート対応時間(24時間対応か平日のみか)
- 問い合わせ方法(電話、メール、チャットなど)
- FAQ・ヘルプセンターの充実度
多くの取引所では無料でデモアカウントやお試し機能を提供しています。実際に使ってみて、自分に合った使い心地かどうかを確認することをおすすめします。また、口コミや評判をチェックして、実際のユーザー体験も参考にしましょう。
日本国内おすすめ仮想通貨取引所
日本では金融庁に登録された取引所のみが合法的に営業できます。主要な日本の取引所とその特徴を紹介します。
bitFlyer(ビットフライヤー)

- ビットコイン取引量9年連続No.1
- 取引量が多くて安定している
- リアルタイムで入金可能
- セキュリティが高い(創業以来ハッキング被害ゼロ)
- 1円から購入可能
- クレジットカードでビットコインが貯まる
- アルトコインを豊富に取扱可能
- 取引所での取引手数料が高め
- 出金手数料がかかる
- 送金手数料が高い
- 取引所(Lighting)の取扱銘柄が少ない
bitbank(ビットバンク)

- 取引量が多くて安定している
- アルトコインを豊富に取扱可能
- リアルタイムで入金できる
- スマホからでも取引しやすい
- 取扱銘柄が多い
- レンディングで利益を狙える
- セキュリティが高い
- 2025年4月オリコン顧客満足度調査で現物取引部門にて2年連続総合1位
- レバレッジ取引に対応していない
- 出金手数料が高め
- 注文方法が指値と成行のみで柔軟性が低い
- 取引所の流動性が他社より低いことがある
GMOコイン

- 多くの手数料が無料
- 取扱通貨が豊富
- 少額から購入可能
- 取引方法が豊富
- レバレッジ取引に対応している
- スマホから仮想通貨の取引が簡単にできる
- 取引ツールが高性能かつ使いやすい
- 最低出金額が比較的高い
- 追証機能がある
- 販売所のスプレッドが比較的広い
SBI VCトレード

- 取引手数料(販売所)が無料で提供されている
- 各種手数料が無料で利用できる(入出金、送金など)
- リアルタイム入金が可能
- レバレッジ取引が可能
- スマホアプリで初心者も簡単に操作できる
- 貸暗号資産サービスの利用で手間をかけずに利益を得られる
- 暗号資産を証拠金として利用できる
- ステーキングサービスが充実
- 流動性が低く、大口取引には向かない
- 定期メンテナンス時は取引ができない
- 最低取引数量が比較的大きい
Coincheck(コインチェック)

- 取扱通貨数が多い
- アプリが見やすく、使いやすい
- 国内暗号資産取引アプリダウンロード数No.1(6年連続)
- 取引手数料が無料で分かりやすい
- 国内大手の取引所で安心感がある
- ビットコイン積立が簡単に始められる
- レンディングで手軽に運用できる
- ステーキングサービスがある
- 販売所のスプレッドが広い
- レバレッジ取引ができない
- 仮想通貨の送金時に手数料がかかる
- 日本円出金時に手数料がかかる
海外のおすすめ取引所
国内取引所よりも取引量も多く、取り扱い銘柄も多様な「スポット取引(現物取引)」
国内取引所よりも大きなレバレッジ取引が可能となる「デリバティブ取引(先物取引)」
この2点が大きな違いとなります。
数多くある取引所の中でも、以下は日本人でも利用しやすい取引所となります。
日本の金融庁から警告を受けている取引所もありますが、2025年5月現在では使用自体に違法性はありません。
Bybit(バイビット)

- 取扱通貨数が非常に豊富
- 日本語に完全対応している
- 最大100倍のレバレッジ取引が可能
- セキュリティが高くサーバーが安定している
- Bybit内の送金・入金手数料が無料
- クレジットカードで直接購入できる
- 豊富なVIPプログラムで手数料割引が受けられる
- 日本の金融庁から警告を受けた経歴がある
- クレジットカード購入は手数料が高め
- 日本円での直接入出金不可
Bitget(ビットゲット)

- 日本語に完全対応(サイト、アプリ、サポート)
- 豊富な仮想通貨ペアの取り扱い
- 最大125倍のレバレッジ取引(先物)
- 充実したコピートレード機能
- ゼロカットシステムによる借金リスク回避
- 豊富なキャンペーン・ボーナス制度
- BGBトークン保有による手数料割引
- 日本の金融庁から警告を受けた経歴がある
- 日本円での直接入出金不可
- クレジットカード決済の手数料が高い
MEXC(エムイーエックスシー)

- 世界最大級の取扱銘柄数
- 業界最安水準の取引手数料
- 日本語に完全対応(サイト、アプリ、サポート)
- 最大500倍のレバレッジ取引が可能
- 豊富なキャンペーン・エアドロップ
- MXトークン保有で手数料割引などの特典
- コピートレード機能で初心者でもプロの取引が可能
- 日本の金融庁から警告を受けた経歴がある
- 日本円での直接入出金不可
- 複数通貨を介した取引による煩雑な税務処理
取引所紹介おすすめ記事
おすすめの仮想通貨取引所についてはWeb3.0メディア「meta land」の「【2025年最新】仮想通貨取引所比較ランキング15選|初心者におすすめの選び方も解説!」記事もおすすめです。
まとめ:仮想通貨取引所の選び方と次のステップ
今回は仮想通貨取引所の基本、種類、選び方、使い方、そしてリスク対策について解説しました。
最後にポイントをまとめたので、ご確認ください。
- 取引所は「中央集権型取引所(CEX)」と「分散型取引所(DEX)」に大別され、初心者は使いやすいCEXから始めるのがおすすめ
- 取引所選びでは、セキュリティ、手数料、使いやすさ、サポート体制を総合的に検討する
- 日本の取引所は安全性と使いやすさ、海外取引所は取扱通貨の多さと先進的な機能が特徴
- アカウント開設には本人確認(KYC)が必要で、強固なセキュリティ設定が重要
- 取引にはハッキングリスクや価格変動リスクがあるため、適切な対策を取ることが大切
- 利益が出た場合は正しく確定申告を行う必要がある
仮想通貨取引所は、仮想通貨を始める上での大切な入り口です。あなたのニーズに合った取引所を選び、少額から取引を始めてみましょう。そして経験を積むにつれて、より高度な取引や別の取引所の利用にも挑戦してみることをおすすめします。
次回は「仮想通貨ウォレット」について詳しく解説します。取引所から自分のウォレットに仮想通貨を移して長期保管する方法や、様々なウォレットの種類と選び方について学びましょう。